自宅サーバー用にCHUWI「LarkBox X 2023」を購入しました。
LarkBox X 2023(以下、LarkBox)は、AMD Ryzen 7 3750Hを搭載する「LarkBox X」の改良モデルで、intel N100やLPDDR5 12GBを搭載するミニPCです。
中華PCということで若干の不安もありましたが、自宅サーバーとして運用を開始から半年間トラブル無く動いています。今のところの評価は、intel N100搭載のミニPCは、高性能かつ低消費電力で自宅サーバーに最適だと感じます。
LarkBox X 2023の外観・スペック
スペック
メーカー | CHUWI |
---|---|
型番 | LarkBox X 2023 |
CPU | intel N100 |
GPU | intel UHD Graphics |
メモリ | LPDDR5 12GB |
ストレージ | M.2 2280 512GB |
OS | Windows 11 Home |
無線LAN | WiFi6 |
有線LAN | 1Gx1 2.5Gx1 |
Bluetooth | 5.2 |
USB(前面) | Type-C USB-A 3.0×2 |
USB(背面) | USB-A 3.2×2 |
Display Port | HDMI2.0x1 Displayx1 |
サイズ | 127x127x49mm |
重量 | 400g |
給電方法 | DC/USB PD |
LarkBox X 2023(以下、LarkBox)は、Intel N100の他、LPDDR5 12GB、512GB SSDが搭載されています。また、標準でWindows 11 Homeがプリインストールされており、ベアボーンの様にメモリ、ストレージ、OSなどを別途用意する必要がありません。
これだけのスペックでありながらクーポン配布やセールなどのタイミングで2万円台前半で買えるので非常にコスパが高いと感じます。
インターフェイス
前面
前面には、電源ボタン、USBポート(3.0 Type-Ax2、USB-C)、ヘッドホンが配置されています。USB-Cポートは、USB給電に対応しているみたいです。
背面
背面は、DCポート、LANポートx2、映像出力ポート(HDMI 2.0×1、Diskpayx1)、USBポート(3.2 Type-Ax2)が配置されています。
USBポートが前後合わせて5ポートあるので機器の接続に困ることは少なそうです。有線LANが1G+2.5Gの2個搭載されていますが、LarkBoxをはじめとして、有線LANを2個搭載するミニPCがいくつか販売されていますが需要が多いのでしょうか?
LarkBox X 2023の使用レビュー
Linuxサーバーとして使っていますが、Linuxインストール前にWindowsで動作確認してみたので簡単にレビューします。
中華っぽい梱包で届いた
中華製品らしく(?)、商品が袋詰めで送られてきました。商品パッケージにへこみは無かったので良かったですが、「精密機器につき取扱注意!」と貼るくらいならダンボールに入れて送ってほしいところです。
Intel NUCより1周り大きいボディーサイズ
LarkBoxは、四方127mmと非常にコンパクトです。リプレース前まで自宅サーバーとして使っていたIntel NUC「NUC6CAYH」と比べると1周りほど大きいです。
裏蓋を外すと内部にアクセスできます。M.2 SSDは交換可能ですが、メモリはオンボードなので交換不可です。
Windows11がプリインストール
LarkBoxは、Windows 11 Homeがプリインストールされています。ライセンス認証の状態は、アクティブでした。
クチコミを確認すると初回および再インストールで認証トラブルが稀にあるようです。認証NGの場合、問い合わせて製品のシリアル番号を伝えればプロダクトキーが提供されると商品説明に記載があったので認証については大丈夫だと思いたい。
私の場合、Linuxをインストールしてサーバーとして使う予定だったので認証NGだったとしても気にしませんが、やはり認証NGは困りますね。OS込みで約2万円なので不安が尽きません。
Intel N100は高効率コア(Eコア)を4つ搭載
CPUは、Intel N100を搭載しています。Intel N100は、第12世代Coreシリーズが内臓している高効率コア(Eコア)のみで構成されており、4コア/4スレッドに対応しています。TDP 6Wで非常に低発熱です。
処理性能は極めて優秀でネットサーフィンや動画視聴、Office系ソフトならサクサク動きます。OSアップデート中でも操作に支障は出ず、大半の用途はこれで十分と感じられるほどの性能です。話題になるだけあって非常に高性能です。
ただし、かつてEコアを無効にしないとゲームのパフォーマンスが大幅に低下するという問題が起こった程度にはPコアとEコアに性能差があり過渡な期待は禁物です。
個人的には、NUC6CAYHで約12分かかっていたバッチ処理がLarkBoxだと約2分に短縮したのが感動モノでした。いい買い物をしたと感じます。
メモリは高速なLPDDR5 12GB搭載
メモリは、LPDDR5 12GBを搭載しています。オンボードなので交換不可ですが、一般用途なら8GBあれば十分なので12GBあると余裕があります。
intel N100を搭載するミニPCの中にはDDR4 SO-DIMM採用でメモリの載せ替え可能な製品もありますが、Intel N100はメモリ対応がシングルチャンネルなのでオンボードでもパフォーマンスの高いDDR5を選んだ方がいいかもしれません。
私が購入した当時はありませんでしたが、執筆時には16GB搭載モデルも登場しているので必要に応じて選べます。楽天市場とYahoo!ショッピングのCHUWI公式ショップにありました。
AirDisk製SATA SSD 512GB搭載
ストレージは、AirDisk製の512GB SATA SSDを搭載しています。聞いたことのないメーカーですが、今のところ問題なく動いています。
SATAタイプのSSDなので読込/書込が500MB/s程度とごく普通の性能です。LarkBoxは、NVMeも認識するみたいですが、接続がPCIe 3.0×1なので高性能なSSDを搭載しても性能を生かせません。
LarkBoxのスペックを考えるとストレージに処理能力を求めることは少ないと思うので、容量不足でもなければ換装する必要はないと思います。
自宅サーバーは10GB程度あれば容量は十分なので余剰領域をNASとして頻繁にアクセスするデータを保存&DS218にバックアップという運用にしました。HDDを搭載しているDS218と違い、LarkBoxはHDDの休止がなくいつでも高速にアクセスできるので利便性が飛躍的に向上しました。
消費電力は4W~と低い
OSにWindows11を搭載した状態で消費電力を簡単に計測してみました。
状態 | 消費電力 |
---|---|
起動時 | 最大15W |
低負荷時 | 4W |
高負荷時 | 未計測 |
LarkBoxの消費電力は、アイドル時がWindows11で4W(Linuxで3W)程度と非常に低いです。
高負荷時は実用的でないので未計測ですが、付属のACアダプタが36Wを考えると最大でも30W未満、TDP(PL2)が25Wなので25W程度かもしれません。普段使いなら10Wを超えることは少なく、多少負荷をかけてやっと15Wを超えるくらいです。
NUC6CAYHより遥かに高性能ながら消費電力は同程度。技術の進歩を感じます。平均消費電力4~8W、単価29円/kWhとして電気料金は約84~167円/月。自宅サーバーとして使うので維持費が安いのは助かります。
intel N100搭載の他社モデルと比較
購入時に比較・検討した機種です。
メーカー | CHUWI | GMKtec | Beelink |
---|---|---|---|
型番 | LarkBox X 2023 | NucBox G2 | Mini S12 Pro |
CPU | intel N100 | ||
GPU | intel UHD Graphics | ||
メモリ | LPDDR5 12GB/16GB | LPDDR5 12GB | DDR4 16GB SO-DIMM 3200GHz |
ストレージ | M.2 2280 512GB | M.2 2242 512GB | M.2 2280 512GB 2.5インチ(空き) |
OS | Windows 11 Home | Windows 11 Pro | Windows 11 Pro |
無線LAN | WiFi6 | ||
有線LAN | 1Gx1 2.5Gx1 | 1Gx2 | 1Gx1 |
Bluetooth | 5.2 | ||
USB(前面) | Type-C USB-A 3.0×2 | – | USB3.2×2 |
USB(背面) | USB-A 3.2×2 | – | USB3.2×2 |
USB(側面) | – | USB-A 3.0×3 | – |
Display Port | HDMI2.0x1 Displayx1 | HDMI2.0x2 HDMI1.4×1 | HDMI2.0x2 |
サイズ | 127x127x49mm | 87x87x39mm | 115x102x39mm |
重量 | 400g | 215g | 280g |
給電方法 | DC/USB PD | USB PD | DC |
CHUWI LarkBox X 2023は、3機種の中では一番バランスが良いと感じます。他の機種が搭載していないUSB Type-CポートやDisklayポートを備えています。OSは、Windows 11 Homeです。
GMKtek NucBox G2は、LarkBoxと似たような性能ですが、Intel NUCよりも小型というのが最大の魅力です。その代償として排熱面の不安とM.2 2242で汎用性が低いのがマイナスです。
Beelink Mini S12 Proは、メモリ交換可能、2.5インチ搭載可能と他2機種より拡張性が高いのが魅力です。同じ仕様でTRIGKEY製のもがあります。LarkBox購入当時は他2機種より高かったですが、執筆時は価格差も縮まっています。
上記の4機種ならどれを選んでも大差ないと思いますが、最終的にLarkBoxを選んだのは購入するタイミングで安かったからです。楽天市場のセールで実質2.2万円ほどでした。
中華PCは、クーポンの配布やセールなどで価格がかなり変動します。最安を狙うのは難しいかもしれませんが、2万円台前半くらいなら性能を考えると十分に安いんじゃないかと思います。
まとめ
intelが小型PCのNUC事業から撤退するということもあり、4年間ほど自宅サーバーとして使っているIntel NUC「NUC6CAYH」のリプレース候補を検討していたところにIntel N100が話題になりLarkBox購入に至りました。
LarkBox X 2023は、ネットサーフィンや動画視聴、Excelなどの事務用途なら十分な性能を持ちながら価格がOS込みで2万円前半と安いのが魅力です。低消費電力なので自宅サーバーにもお薦めです。耐久性はこれからですが、半年無事だったので大丈夫だと思いたい。
LarkBox X 2023が気になる方はぜひチェックしてみてください。16GB搭載モデルは、楽天市場とYahoo!ショッピングのCHUWI公式サイトで確認できます。