自宅サーバーを超小型のIntel NUC「NUC6CAYH」にリプレースしました。
リプレースからしばらく運用していますが、NUC6CAYHは、非常にコンパクトな筐体ながら高性能、低消費電力、無音(超低ノイズ?)、安定稼働でとても気に入ってます。
中でも、24時間365日稼働している自宅サーバーなので低消費電力というのが非常に助かります。電気代は1ヶ月で100円くらいで済みます。
NUC6CAYHの主な特徴は、
- とにかくコンパクト
- メモリとHDDとOSがあれば動く
- 普段使いには十分な性能
- 無線LAN&Bluetooth内蔵
- 10W未満の低消費電力
- 3年保証
簡単にレビューを書いてみたので参考になれば幸いです。メモリ選びに注意点があるのでチェックしてみてください。
Intel NUC「NUC6CAYH」
「NUC6CAYH」の主な仕様
CPU | Intel Celeron J3455 |
メモリ | S.O.DIMM×2 DDR3L-1600/1866 最大8GB |
内蔵ドライブ | 2.5インチHDD×1 SDXC USH-Iサポート |
グラフィック出力 | VGA/HDMI 2.0 |
サウンド | Intel HD Audio |
USB | 3.0 前面2/背面2 |
LAN | Realtek 8111HN 10/100/1000 |
ワイヤレス | Intel® Wireless-AC 3168 Bluetooth 4.2 |
電源 | 65W ACアダプタ |
サイズ | 115x51x111mm |
NUC6CAYHは、内部に2.5インチディスクが1台搭載可能です。メモリスロットは2つあり、デュアルチャンネルで動作します。
ビデオ出力はD-SUB15+HDMIです。今回はモニタを常時接続しないサーバー用途なので気になりませんが、デュアルモニタで使いたいという場合には注意が必要です。
USBポートはUSB3.0を前後に2ポートを搭載しています。最低限のUSBデバイスは接続できます。
Intel Wireless-AC 3168は、802.11ac対応、最大433Mbpsです。Bluetoothも搭載しています。
Intel Celeron J3455
コア数/スレッド数 | 4/4 |
ベース/バースト周波数 | 1.5GHz/2.3GHz |
キャッシュ | 2MB |
GPU | Intel HD Graphics 500 |
TDP | 10W |
サーバー用途ということもあり4コア4スレッドのCPUを選択しました。負荷具合を見ると2コア4スレッドで高速駆動するCPUを選んでも問題なかったかもしれません。
組んだパーツ構成
NUC6CAYHは、筐体(ケース)、マザボ、電源がセットになっているので、残りのメモリ、SSD(HDD)、OSを用意すれば動きます。今回のパーツ構成は、下表の通りです。
本体 | NUC6CAYH |
メモリ | Samusung DDR3L-1600 M471B5173QH0-YK0 4GB×2 |
SSD | TOSHIBA THNSNH128GCST |
OS | CentOS 7 |
メモリは、DDR3L-1866もサポートされていますが、価格が安くて手に入りやすいDDR3L-1600を選択。1866と1600が体感でどれだけ違いがでるかわかりませんが、ゲーム用途でなければ1600で十分だと思います。中古なら4GB×2が3千円台で手に入ります。
SSDは、余っていたSSDを使い回し。容量は10GB程度しか使わないので128GBもあれば十分です。
メモリ選びの注意点
メモリ選びで気を付けたいのが搭載されているチップの容量と数です。
”Intel NUCは認識しないメモリがある”みたいな書き込みをどこかで見て気になったので調べたところ、仕様書(P19)に関係しそうな記載がありました。
容量が2GBや4GBでも、片面128MB×8=1GB、256MB×8個=2GBのメモリはサポートしてないようです。容量だけで選ぶと認識しない場合があるかもしれません。メモリに搭載されているチップの容量と数は、メモリの仕様書にたぶん載っていると思います。
ちなみに、今回搭載したM471B5173QH0-YK0は表裏512MB×4です。
ミッキー型ACケーブル不要
NUC6CAYHのACアダプタは、取り換え式プラグ付きなので別途ACケーブルを用意する必要はありません。プラグは、A/B/BF/Oの4種類が用意されています。
Intel NUCは、機種によるのか発売時期によるのかわかりませんが、別途ミッキー型ACケーブルが必要な場合があります。必要かどうか確認した方がいいと思います。
必要な場合には、Amazonなどで500円くらいで購入できます。
NUC6CAYHのレビュー
NUC6CAYHを使ってみた感想を簡単に書いてみます。
とにかくコンパクト
約11センチ四方、厚さ約5センチの本体サイズは、実際に手にすると驚くほどにコンパクトです。
何かいい比較がないか考えた結果、このページを訪問される方なら身近にあると思う3.5インチHDDと比較してみました。
比較 | NUC6CAYH | 3.5インチHDD |
サイズ | 115x111x51mm | 約147×101.6x26mm |
NUC6CAYHは、およそ3.5インチHDDの厚さ2個分、奥行を少し減らした程度の大きさです。
この大きさで普段使いには十分な性能を持っているのだからハードウェアの進化に驚きです。
普段使いには十分な性能
自宅サーバとしてバッチ処理や開発に使っていますが、1日の内99%はアイドル状態(グレーの部分)。私の使い方だと全く負荷がかかってないので参考になりませんね。
使い回しのSSDにWindows 10がインストールされていたので消す前に少し使ってみましたが、ファイルを開いたりネットサーフィンする程度なら違和感なく使えました。非力なCPUにありがちな引っ掛かりもありません。
Amazonや価格コムのレビューを見ても、動作に不満を感じている方がいないようなので普段使いには十分な性能の様です。
少し古いパソコンでもSSDを搭載しておけば十分に使えてしまうので、そういう意味でもCeleron J3455は十分な性能を持ったCPUなんだと思います。
意外と発熱する
TDP10Wなのでもっと低発熱なのかと思いましたが、意外と発熱しています。
CPU温度は、外気温25度くらいの環境で48-50度くらい、負荷をかけても55度くらいです。重い処理をさせていないので安定しています。
一応、ファンが搭載されているので冷却が可能です。
デフォルトだと48度でファンが停止する設定となっているのでファンはほとんど動いてないのかもしれません。本体に近づいても音が聞こえないので動いているかどうか判断ができません。
もう少し温度が低いと安心できますが、一応コントロールされているようなのでしばらく様子を見たいと思います。
消費電力4W
消費電力も簡単に計測してみました。
状態 | 消費電力 |
---|---|
起動直後 | 8W |
低負荷 | 4W |
高負荷 | 11W |
起動直後は8Wまで上昇、その後4-6W程度に落ち着きます。高負荷時でも11Wと消費電力はかなり低いです。
Microserver N40Lも17W(SSD搭載1本)と低かったですが、NUC6CAYHはそれ以上の性能にも関わらず消費電力が約1/4です。平均消費電力5W、単価29円/kWhとして電気料金は約100円/月です。サーバとして24時間動かし続けるので低消費電力は大歓迎ですが、これだけ低いとメインPCもこのクラスのCPUにしてしまおうかと欲が出てきます。
メインPCは、Ryzen 2200G、DDR4-2666 16GB、SSD 256GB+4TB HDDの構成で16Wほど。まだ組んだばかりなので買い替えることはないですが、4-6Wは非常に魅力的な数値です。
補足として、Windows 10で使った時は6W程度だったので、Windows 10だと負荷が高くなり消費電力が少し上がるのかもしれません。
かかった費用
パーツ | 費用(税込) |
---|---|
NUC6CAYH | 17,979円 |
Samusung DDR3L-1600 M471B5173QH0-YK0 4GB×2 | 3,300円 |
TOSHIBA THNSNH128GCST | – |
CentOS 7 | – |
合計 | 21,279円 |
SSDが使い回し、OSが無料だったので、かかった費用は合計約2.2万円。
NUC6CAYHは、性能の割に約1.8万円と安いです。同価格帯のBOXNUC7CJYHも候補にしましたが、コア数とメモリの種類を考慮してNUC6CAYHにしました。
メモリ4GB×2は、中古のDDR3Lなので3,300円で済みました。BOXNUC7CJYHにするとDDR4になり、コストが9千円程度と倍以上です。性能を求めるならDDR4かもしれませんが、自分の使い方ではDDR3Lでも十分すぎる性能でした。
SSDは、買ったとしても128GBなら2千円くらい。昔と比べるとずいぶん安くなりました。
まとめ
これまで使っていた自宅サーバ「HP Microserver N40L」からNAS機能を「Synology DS218」に移行したことで、N40Lの用途がバッチ処理と開発のみとなり、役割の割に大きすぎる筐体の小型化が今回のリプレースの目的でした。
NUC6CAYHは、高性能ながら低消費電力なので自宅サーバには最適です。コンパクト、低ノイズなので置き場に困らず、低消費電力なので電気料金も気になりません。
BIOSで切って使っていないのでレビューでは書きませんでしたが、NUC6CAYHにはWi-FiとBluetoothが搭載されています。LANケーブル不要なので設置の自由度も高いです。
Linux OSを搭載しサーバとして使っているので参考になったかわかりませんが、少しでも参考になったのであれば幸いです。